医療文書を提出後、保険会社などからその内容の問い合わせがあります。
ご自身の病院では、提出した医療文書の問い合わせ件数はどれぐらいなのか気になったことはありませんか?

 

医療文書の問い合わせ件数についてまとめました。

 

 

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《問い合わせ件数の把握》

 

私のところでは、医療文書を独自にFilemakerで作成したもので管理しています(書類作成一覧)。

書類作成一覧については、こちらの記事を参照してください。

 

 

 

医療文書の問い合わせがあった場合、その問い合わせ内容と対応内容を書類作成一覧に入力するようにしています。それを使用して、年間で(対象:平成25年~平成29年)どれぐらいの問い合わせがあるのかを調べてみました。

 

その結果がこちらです↓↓

 

これだけだと、件数が多いのか少ないのかイメージしづらいので、グラフにしてみました。そうすると・・・↓↓

 

 

このグラフを見て分かるように、問い合わせ件数は比較的少ないということが分かります。

 

 

これをさらに年間で推移をみてみると・・・↓↓

 

 

代行作成当初は、医療文書代行作成のスキルが低く、問い合わせ割合が2~3%となっていますが、徐々に減少し1~2%になっているのが分かります。

 

 

《問い合わせ件数が減少した理由は?》

 

この問い合わせ件数が減少したのは自然と減少したのではなく、以下のような対策を行いました。

 

  1. 毎月、問い合わせ件数の報告と内容を周知し、その原因と対策を検討する
  2. 医療文書代行作成後のダブルチェック
  3. あまり依頼件数が少なく複雑な医療文書については、マニュアルを作成   など

 

 

①については、問い合わせ件数を報告することで、代行作成者の意識を高める目的で行いました。内容についての原因と対策は、例えば初診時の症状などを記載する部分での問い合わせだった場合、この文章の構成で作成すれば問い合わせはなかったのではないか?と話し合うことで個人のスキルを向上したものと考えます。

 

②については、第三者がチェックを行うことで、手術日や記載の漏れなどのケアレスミスに気付くことができます。また、勘違いされやすい文章の構成を指摘することもできますし、項目ごとの個人での解釈の違いが判明し、そこから掘り下げていきその項目ごとの解釈を医師事務内で統一することができました。

 

③については、依頼件数が多いものであれば、それだけ知識も自然と増えてきますが、依頼件数が少ないものはその内容が複雑な場合が多いです。マニュアルを作成することで医師事務内で情報共有もでき、個人のスキル向上にもつながりました。

 

 

《問い合わせ内容》

 

問い合わせ内容にはさまざまなものがあります。その中で一番多い問い合わせ内容は「入院期間・手術日・Kコード(診療報酬点数表の手術の種類ごとに決められたコード)」でした。

 

次に多い問い合わせ内容は、「固定具の種類・期間の確認」で「既往症の治療施設・期間の確認」「悪性か良性かの確認」と続きます。

 

 

《記事のまとめ》

 

医療文書の問い合わせがあったら、その患者さんのカルテを出して、提出された医療文書の確認や診療録の内容の確認を行わなければいけません。医療文書を代行作成してすぐの問い合わせであった場合は、頭の片隅に残っていて少しは早く処理ができる可能性もありますが、問い合わせ対応は、手間や時間もとられてしまいます。

 

また、電話での対応以外にも文書照会として、さらに医療文書を代行作成しないといけない場合もあり、自分が自分を苦しめてしまう可能性もあります。

 

私のところでは、医療文書の問い合わせに対して対策を行ったら、問い合わせ件数の減少につながりました。その分そこにかかる手間や時間がなくなり業務の効率化にもつながっていると思います。今回お伝えした対策以外にもさまざまな対策が考えられます。

 

医療文書を代行作成するだけではないですが、業務を行う上で一番大切なことは“慎重に行う(作成する)”ということだと思います。

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