医療要否意見書は、生活保護受給者に関係してくる医療文書です。

 

医療要否意見書の留意事項についてまとめました。

 

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《医療要否意見書》

一般的留意事項についてはこちらを参照してください。

社会福祉の分野は広範囲におよびますが、日本国憲法第二十五条に規定する理念に基づき、国が正確に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的として「生活保護法」は定められています。

要否意見書には以下のような種類があります。

 

  • 医療要否意見書(様式第13号の1)(医学的治療)主治医は傷病名・主要症状及び今後の診療見込などを記載し、福祉事務所に提出します。
  • 給付要否意見書(様式第18号の1)(治療材料・移送)生活保護法上での治療材料及び移送費を給付する際に使用する様式です。記載に際しては、治療材料などを必要とする理由をより具体的に記載することが望ましいです。治療用装具とは、「義肢・歩行補助杖・装具・眼鏡・収尿器・ストマ用具・尿中糖定性半定量検査用試験紙」などがありますが、治療などの一環として必要やむを得ない事由が認められる場合のみ支給されると限定されています。
  • 保護変更申請書
  • 診療依頼書

 

その中の医療要否意見書は、医師の意見を参考に医療扶助の範囲を決定するために必要な医療文書になります。

 

《各項目の説明》

[医療要否意見書のイメージ]

 

  1. 氏名欄:医療扶助が決定された場合、医療券により診療を受ける。初診で緊急を要する場合は、医療券を持たずに受診し、後日医療要否意見書を提出します。医療券の発行前に福祉事務所から記載依頼がある、提出を求められます。今後も継続して治療が必要な場合は、福祉事務所から氏名、期間が印字されたものを持参したり、送付されてきます。いつからの医療または入院の要否にちて意見を求められているのかを把握します。
  2. 傷病名又は部位:診療力に基づき治療を必要とする傷病名を記載します。診断が確定しない疾患の場合は、「◯◯の疑い」と記載する。初診年月日については、当院での初診年月日を記載する。
  3. 転帰:該当項目を選択し、日付を記載する。転医の場合は、「中止」を選択します。
  4. 主要症状及び今後の診療見込み:診療録に基づき、②の傷病に関する治療内容および治療計画(今後の治療方針など)をできるだけ詳細に、正確に記載する。複数の傷病がある場合は、それぞれの傷病についての治療内容および治療計画(今後の治療方針など)を別々に分けて記載する。医療扶助の要否判断基準になりため、慎重に正確に記載する。臨床検査などのデータは、福祉事務所から要請のある場合のみ、診療録に基づき直近の臨床検査結果を記載する。
  5. 診療見込期間:診療録に基づき、②の傷病に関する治療期間を記載する。診療録に記載のない場合には、主治医に確認の上記載する(最長6ヶ月)。
  6. 医療要否意見:診療録に基づき、今後の医療(入院)の必要性について該当する項目を選択する。診療録に記載のない場合には、主治医に確認の上記載する。
  7. 初診など緊急時には事後の場合もある。福祉事務所から依頼の医療要否期間の開始日より前に文書作成し、その日付を記載する。
  8. 指定医療機関の所在地及び名称:医療機関の所在地および名称を記載する。
  9. 医師名:医師に最終確認を依頼(直筆のサイン・押印)

《生活保護法関係文書の保存期間》

 

生活保護法関係文書の保存期間も決められています。(昭和36年9月29日社発第726号厚生省社会局長通知)

 

  • 生活保護法関係文書の保存期間の区分は、永久・10年・5年・3年及び1年とする。
  • 各文書の保存期間は、別表のとおりとする。ただし、当該世帯に係る保護に関する処分につき不服の申立て提起された場合には、その申立てに対する決定又は裁決が確定した後3年間は、当該処分に係る文書を保存するものとうする。また、当該世帯に係る保護に関する処分につき訴訟が提起された場合には、永久保存とする。

 

 

医療関係文書の保存期間

  • 医療台帳:廃止後5年
  • 診療要否意見書など各要否意見書(治療材料等保護変更申請書「傷病届」と不可分のもを除く):3年
  • 医療券及び診療報酬請求明細書など各給付券及び各請求明細書:5年
  • 診察料及び検査料請求書:5年
  • 検診命令書、検診書及び検診料請求書:5年
  • 診療報酬請求書など各費用請求書:5年
  • 結核及び精神病入院協議関係文書:3年
  • 嘱託医執務日誌:3年
  • 医療券交付処理簿など各給付券交付処理簿:3年

 

《記事のまとめ》

 

医療要否意見書を代行作成するのに、その患者さんの医療要否意見書を初めて作成するのか、継続なのかを把握して代行作成するようにしましょう。

 

診療見込みなどは診療録に記載されていることが少ないと思いますので、必ず確認するようにしましょう。

 

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