頭痛がしたりうまく言葉が話せない・・
手がしびれたり、握力が低下しているような・・
放っておくと大変なことに!!

脳の病気についてまとめました。

 

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《脳の役割》

脳は、人の体全体をコントロールしている、とても大切なところです。大きく分けて、3つを調節する司令塔の役割をしています。

 

まず1つは大脳です。大脳はものを考えたり、決めたりする知的な働きをしています。大きく発達した大脳が脳のなかで最も主要な部分を占めています。特異な形をしていて、中央を縦に深い溝が走り、左右2つに分かれています。右側を右脳(右半球)、左側を左脳(左半球)と呼び、それぞれの役割には違いがあるとされています。右脳は立体感覚や空間的な構成による全体的把握が得意で、直観や創造性を発揮。一方、左脳の得意分野は言語処理や計算などで、思考や論理による部分的把握をつかさどっているといわれています。

 

大脳の表面は、大脳皮質という神経細胞の集まった薄い層に覆われています。大脳皮質はまた、6層構造の新皮質と、3層か4層、あるいは層構造になっているか不明瞭な古い皮質とがあります。古い皮質は食欲、性欲など本能的な生存のための欲求とか、恐怖や怒りの情動行動など動物と人間に共通した働きを営んでいます。

 

一方、新皮質は動物が進化し高等になるほど現れてきた部分で、運動や感覚機能、知的活動、喜びや悲しみといった複雑な感情などを営みます。人間では9割以上が新皮質で、これこそが人間らしさを示すものとされています。

 

大脳新皮質には約140億個の神経細胞が集まり、前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉と呼ばれる4つの領域に分かれて人間のさまざまな活動をつかさどっています。全身のすみずみから送られる情報を識別し、それぞれ受け持つ領域で分業して各部位に対応する指令を送ります。神経細胞は電気信号を発して情報をやりとりする特殊な細胞で、ほかの細胞との大きな違いは、細胞体から突起が出ていること。神経細胞の数は脳全体でおよそ一千数百億個にもなり、その突起を全てつなげると100万kmもの長さになるといわれます。複雑につながったネットワークを電気信号がかけ巡り、脳の高度な機能が生まれるのです。

 

次に小脳です。

小脳は運動系の統合を担っています。筋、腱、関節からの情報、内耳からの平衡感覚の情報等を受け、運動の強さやバランスなどを調整しています。

 

 

最後に脳幹です。

脳幹は、呼吸や循環等、基本的な生命活動をつかさどる重要な部分です。また、感覚情報を大脳皮質に中継し、末梢への運動指令を中継する場所でもあります。間脳、中脳、橋、延髄にわかれていてそれぞれの役割があります。

 

間脳は視床と視床下部から成っています。視床は嗅覚を除く全ての感覚情報を大脳に中継します。視床下部は新陳代謝、体温調節、呼吸など生命活動を担う自律神経の中枢であり、また内分泌系の神経伝達の中枢でもあります。

 

中脳は大脳と脊髄、小脳を結ぶ伝導路です。視覚や聴覚の反射に関わります。体の平衡や姿勢を保つ中枢でもあります。橋は大脳と脊髄、小脳を結ぶ伝導路です。覚醒の中枢で、睡眠にも関わります。また、三叉神経、外転神経、顔面神経、内耳神経の伝達の中枢でもあります。

 

延髄は循環や呼吸をコントロールします。咀嚼、嚥下、嘔吐、発声等もコントロールします。

 

《脳卒中》

脳卒中とは脳の血管が詰まったり、破れたりして、いろいろな脳の症状が現れるすべての状態を指しています。

脳卒中にはいくつかの種類がありますが、大きくは脳の血管がつまる脳梗塞と、脳の血管が破れて出血する脳出血やくも膜下出血に分けられます。

 

《脳出血》

 

脳の血管が破れて脳の中に出血し、その血液の塊が脳細胞を圧迫して壊してしまうことです。

 

原因としては、脳動脈奇形、血管腫、もやもや病等の血管の異常があり出血する場合もありますが、ほとんどは高血圧によって脳の細い毛細血管が切れて出血します。

 

 

症状としては、突然に起こる、半身(右手足または左手足)の麻痺や感覚の異常、意識状態の悪化、目の動きの異常、目の見えにくさ、言葉の異常、歩行障害、頭痛、めまい、嘔吐、痙攣、呼吸障害等さまざまです。出血を起こした脳の場所や、出血の程度によって症状が違います。また、脳出血の起きやすい部位は分かっており被殻出血、視床出血、皮質下出血、小脳出血、橋出血に分類されます。

 

被殻出血は、頻度は最も高く、脳出血の40-50%程度を占めます。頭痛、片麻痺、半身感覚障害、顔面神経麻痺が多く見られます。視床出血は脳出血の30%程度を占めます。頭痛、片麻痺、半身感覚障害、顔面神経麻痺、意識障害が多く見られます。

 

皮質下出血は、脳出血の10-20%程度を占めます。頭痛、嘔吐、半盲、片麻痺が見られます。小脳出血は脳出血の10%程度を占めます。頭痛、嘔吐、運動失調が見られます。

 

橋血は、脳出血の10%程度を占めます。頭痛、意識障害、片麻痺または四肢麻痺、半身感覚障害、外転神経麻痺が多く見られます。

また、症状だけでは脳出血か脳梗塞かの区別は難しいです。

 

 

治療としては、内科的治療が原則です。安静にして血圧を薬でコントロールします。出血量が多い場合には頭蓋内圧が更新するため、それを抑制する点滴薬を使用します。外科的治療は血腫量が多い場合に考慮します。頭の骨を開けて、血の塊を取り除いたり、脳の中にたまった水を外に出して脳の圧迫を減らしたりする手術です。

 

手術によって退院後の生活動作がよくなることを期待できる方もいますが、残念ながら脳出血の症状を手術でなくしてしまうことはできません。血管からあふれ出た血液による圧迫で破壊された脳の傷は、血液を取り除いても残ってしまうからです。出血の場所によって手術が難しい方もいます。

最近では低侵襲な手術法として、内視鏡を用いて血腫を除去する手術も行われています。

 

《脳梗塞》

 

脳梗塞は、脳の血管が詰まる病気です。

血管が詰まるとその先に血液が流れなくなり、酸素や栄養が不足します。この状態が長く続くと、脳細胞が壊死(体の組織や細胞が局部的に死ぬこと)し、手足の麻痺や言語障害等さまざまな障害が起こってきます。

 

なお、脳梗塞は、血管の大きさや詰まり方によってラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳梗塞の3タイプに分類されます。

 

ラクナ梗塞は、脳に入った太い血管は、次第に細い血管へと枝分かれしていきます。この細かい血管が狭くなり、詰まるのがラクナ梗塞です(小梗塞)です。日本人に最も多いタイプの脳梗塞で、主に高血圧によって起こります。ラクナというのは小さなくぼみという意味です。

 

アテローム血栓性脳梗塞は動脈硬化(アテローム硬化)で狭くなった太い血管に血栓ができ、血管が詰まるタイプの脳梗塞です。(中梗塞)動脈硬化を発症・進展させる高血圧、高脂血症、糖尿病など生活習慣病が主因です。

 

心原性脳梗塞は心臓にできた血栓が血流に乗って脳まで運ばれ、脳の太い血管を詰まらせるものです。(大梗塞)原因として最も多いのは、不整脈の1つである心房細動です。

 

 

原因としては、高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満といった生活習慣病や心臓病、喫煙等です。生活習慣病や喫煙は、脳梗塞の下地となる動脈硬化を促進します。また、脈数が異常に速く不規則になり、動悸やめまい等の症状がでることもある心房細動という病気があると、心臓に血栓(血の固まり)ができやすく、それが脳にとんで脳梗塞を起こしやすくなります。

 

 

治療としては、脳梗塞の急性期の治療は、薬による内科的な治療が中心になります。血栓溶解療法、抗血小板療法、抗凝固療法、脳保護療法等が行なわれます。血栓溶解療法は、血管に詰まった血栓を、t-PAという薬で溶かし、血流を再開させる方法です。

 

抗血小板療法は、血小板の働きを抑えて、血液が固まるのを防ぐ治療法です。

 

抗凝固療法は、血液を固まりにくくすることで、心臓や静脈内で血栓ができないようにし、脳梗塞急性期の悪化と再発を防ぎます。

 

脳保護療法は、脳梗塞で血流が途絶えると、脳細胞にダメージを与えるフリーラジカルという有害物質が発生します。このフリーラジカルを脳保護薬で取り除き、脳を守る方法です。新しいタイプの治療法で、発症後24時間以内にこの薬を用いれば、後遺症を軽くする可能性が高くなります。

 

《記事のまとめ》

 

脳は全身をコントロールする超人コンピューターです。

コンピューターのようにオーバーヒートして動かなくなったりしないよう

ストレスを溜めずに生活習慣に気をつけて生活するようにしょう。

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