最近、ご飯がおいしく感じない・・
それって鼻が原因かも!?
鼻の病気についてまとめました。

 

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《鼻の役割》

鼻は、においを感じたり、呼吸をする働きをしています。
また、空気の中のチリやゴミ、ウイルスなどがかカラダの中に入るのを防いだり、カラダに入ってくる空気の湿度や温度を調節する働きもしています。加湿器やエアコンのような役割をしていて、肺に無理な負担がかからないようにしています。

 

鼻の中は、 外鼻、鼻腔、副鼻腔から構成されています。 外鼻は、顔の外に張り出している鼻の外観のことをいいます。外鼻の骨格は、骨と軟骨でできています。

 

鼻腔は、鼻中隔よって左右に分けられています。 左右それぞれには、 側壁から通常3つの骨が張り出しており、 上から上鼻甲介、 中鼻甲介、 下鼻甲介と呼ばれます。 この鼻甲介と側壁の間の空気の通り道を上から順に上鼻道、 中鼻道、 下鼻道と呼ばれます。

 

鼻腔は血管が密集した粘膜で覆われており、吸った空気を温めたり、 加湿したり、 粘膜から分泌される粘液や表面に生えた線毛によってほこりや微生物などの異物を吸着・除去したりする機能を持ちます。また、 鼻腔上部にある嗅細胞は、 捕らえたにおい物質の情報を脳に伝達し、 においとして感じさせる機能を持ちます。

 

副鼻腔は、鼻腔の周囲にある空洞で、 頬の裏側にある上顎洞、 眼の間にある篩骨洞、 額の裏側にある前頭洞、 鼻の奥にある蝶形骨洞の4種類があります。これらの副鼻腔は細い孔で鼻腔に通じており、 鼻呼吸をすることで空気の交換が行われています。副鼻腔も鼻腔と同様に、 線毛をもつ粘膜で覆われ、 入ってきたほこりや微生物を除去しています。

 

《鼻炎》

鼻炎には、ごく一般的なかぜの症状である急性鼻炎と、花粉症に代表されるアレルギー性鼻炎があります。急性鼻炎はウィルスや細菌感染によって引き起こされ、アレルギー性鼻炎は空気中のアレルゲンが体内に吸入されることで起こります。

 

鼻炎の代表的な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりです。カラダには外部から異物が入ってくるとそれを排除しようとする力が働くメカニズムがあります。くしゃみはカラダが感知した異物を押し出そうとする力、鼻水は、異物を洗い流そうとする力が働いた結果で生じます。また、鼻づまりは炎症が原因となり気道が狭くなることで起こります。

 

アレルギー性鼻炎の治療としては、アレルギーの原因となる物質を避けるのが治療の第一歩です。そして、症状はあってもごく軽く、日常生活に支障がなく、薬をあまり必要としない状態です。

 

これを達成にするには、薬物療法、特異的免疫療法、手術療法、アレルゲン除去と回避があります。治療薬を選ぶためには鼻炎のタイプを区別し、重症度を判定することが必要です。

 

薬物療法では、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬、抗トロンボキサン薬、ステロイド点鼻薬などを鼻炎のタイプや重症度に合わせて使い分けます。

 

特異的免疫療法は、原因となるアレルゲンのエキスを薄い濃度から少しずつ注射し、カラダをアレルゲンに慣らしてアレルギー反応が起こりにくくなることを期待する治療法です。

 

手術療法は、レーザー手術、電気凝固法、凍結手術などがあります。高度なアレルギーでは、粘膜を切除する手術や鼻腔の通気を改善する手術、鼻水を止める神経切除術などもあります。

 

日常生活の中で、鼻に入るアレルゲンの量を減らすことができます。アレルゲンの量を減らすことは、鼻炎の症状を軽くする効果があります。アレルゲンの除去と回避については、室内音掃除による室内ダニの除去、スギ花粉回避などがあります。

 

《副鼻腔炎》

副鼻腔炎とは、副鼻腔に炎症が起こったり、自然孔が狭くなったりしたため、膿などが副鼻腔にたまった状態のことをいいます。

 

原因としては、風邪が持続、反復した場合や鼻のアレルギー、鼻中隔彎(鼻中隔が左右に極端に曲がっている状態)や大気汚染、ストレスなどがあります。

 

症状としては、鼻水、鼻づまりが主な症状です。鼻水は濃い粘液や膿が特徴で、むしろ喉へまわることが多く、痰のような症状が長く続きます。喉の粘膜や気管を刺激すると咳も出てきます。粘膜の腫れが強いとにおいも分からなくなります。

また、頭痛、頭重感、肩こり、眼の疲れ、注意力散漫など鼻以外の症状が多くみられるのが特徴です。

 

治療としては、局所療法、薬物療法、手術療法があります。そのうち、局所療法と薬物療法が保存療法と呼ばれます。

 

局所療法とは鼻腔や副鼻腔に溜まった膿や粘り気の強い鼻水を生理食塩水などで洗浄、除去したり、患部に抗菌薬を噴霧したり(ネブライザー治療)します。

薬物療法は、主に抗生物質による治療が中心で、症状が軽ければ薬物療法でよくなるケースが多いです。保存療法で十分な効果がみられない場合は手術が検討されますが、局所療法が困難な場合は先に手術療法を行う場合もあります。

 

以前の副鼻腔炎の手術は上唇の裏側から歯茎を切開したりするなど大がかりなものでしたが、最近では、副鼻腔炎においても内視鏡を使った内視鏡下服鼻腔手術(鼻腔に内視鏡や手術器具を入れてモニターに映し出された画像を見ながら行う術式)が主流となりました。

 

《鼻たけ》

鼻たけとは、鼻の粘膜の一部が風船のように膨らんで鼻腔内に垂れ下ったものをといいます。

鼻にできる良性の腫瘍で、ポリープといわれています。

 

副鼻腔炎の患者さんに多くみられます。こんにゃくのようにぶよぶよとした塊ですが、大きいものでは親指大のものもあり、また多数できていることもあります。

 

鼻たけは、小さいうちは症状は出ないので気付かないことがほとんどです。放置しておくと鼻たけは次第に大きくなり、強い鼻づまりを訴えるようになります。なかには喉の方へ下がってくこともあります。

 

 

原因としては、頬の下の骨の洞穴(上顎洞)や、眼と鼻の間の洞穴(篩骨洞)などの粘膜が炎症を起こし、ポリープを作り、そのポリープが洞穴との交通路を伝って鼻の気道にでてきて、鼻の道すじを塞ぎ、鼻づまりを起こします。

 

薬では治せないので大きい鼻茸は切除します。

 

手術は、局所麻酔で行います。手術後は、止血用のガーゼが鼻に詰められているので、多少の息苦しさを感じますが、手術後約1週間で鼻から抜き取ります。

 

《上顎がん》

上顎がんは、鼻腔の脇にある上顎洞という副鼻腔から発生するがんのことをいいます。重症の慢性副鼻腔炎が長年放置されると発生しやすくなると考えられています。

 

症状としては、がんの初期には骨の空洞の中にあるために症状がでにくく、ある程度進行してから気づかれることがしばしばです。進展方向によって症状は様々で、鼻づまり、悪臭のある鼻水、鼻出血、歯痛、頬の腫れ、視力障害などがみられます。

特に左右の片側だけにこれらの症状があるときには注意が必要です。

 

治療としては、抗がん剤、放射線、手術の3つを併用するのが一般的です。

 

《嗅覚障害》

鼻の最上部、嗅裂と呼ばれる場所に嗅上皮があり、その中にある嗅細胞に、におい分子が到達すると、神経を介して脳でにおいを認知します。かぜやアレルギ性鼻炎、慢性副鼻腔炎、鼻中隔弯曲症などで、におい分子が嗅上皮まで到達できないと臭いがしなくなります。

また、かぜのウイルスなどにより嗅細胞自体がダメージを受けると、高度の嗅覚障害となります。

 

治療としては、原因となっている病気を治療することで、鼻の処置、投薬、手術などが行われます。ステロイドの点鼻も効果的ですが、長期間使うと副作用が出ることがあるので注意が必要です。

 

《記事のまとめ》

生命の危機にまで至ることは少ないですが、日常生活を送る上で、鼻水、鼻づまりはとても辛いです。辛い症状を少しでも改善するためにも、

放置することなく適切な治療を受けましょう。

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