ネットやテレビで医療事務は経験がなくても大丈夫!

などと言われていますが、
本当に経験がなくても大丈夫なの?私でもなれるのかな?にお答えします。

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《経験がなくても大丈夫?》

まあ、経験がなくても医療事務の仕事に就くことは可能です。
就職するのに資格や経験があった方が当然有利なのは言うまでもありませんが、絶対条件ではありません。

ならとりあえず医療事務で就職をしてそれからでも大丈夫か~!

と思う方もいるかもしれませんが、そんなことをしたら医療事務の仕事に就いてからが地獄となります。

私は1年間、医療事務の学校に通い、病院、診療所とは何ぞや?からレセプト作成、病院実習等など、一通りの医療事務の勉強をしてから診療所に就職しました。

 

とはいっても診療報酬の点数早見本(患者さんの診察代と呼ばれる部分)だけでも何千ページとあるので暗記するわけでなく、点数早見本の索引方法や検査とか手術とかそれぞれの注意点を学びました。

 

就職した後は、まず来院された患者さんのカルテ出しから始まりました。診察時に生活指導等の医学管理を行ってほしい患者さんのカルテにはその記録が記入できるように専用の印鑑を押します。大体は、前回来院された日のカルテを確認すれば、この方はどの医学管理の印鑑を押せばいいのか分かりますが、それだと意味がないので最初は一人一人の疾患をある程度確認し、印鑑を押すように指導されました。

 

それを続けたことによって様々な医学管理があることや、病院や診療所により算定できるもの、施設基準に該当するか等を学びました。

その後は、点数算定や処方せんの発行、会計等に続いていきました。なので、経験はなくても大丈夫ですが、ある程度の知識はあった状態で就職することをおすすめします。

《病院、診療所の違いって?業務内容は大きく違う?》

病院の名称が〇〇病院とか〇〇診療所等とついていますが、どれでも自由に付けていいわけではなくそれぞれそう呼べる決まりがあります。

 

診療所(クリニックや医院ともいいます)とは入院できるベッドがないもしくは19床以下の医療機関のことをいい、病院とはベッドが20床以上ある医療機関のことをいいます。

なので、20床以上のベッドがある病院ではそれに対応できるように職員数も多く、外来担当、入院担当、受付する人、会計する人と役割分担もはっきりしている所が多いと思います。

 

しかし、診療所ではそれぞれに職員をあてることは難しいので、受付、会計、電話対応等を1人で行ったり、医療文書の作成から院内の清掃までオールマイティーに行っているという所も多いと思います。

 

また、業務内容以外でいうと、診療所では職員数が少ないのでコミュニケーションが取りやすいというのもあります。病院だと、うん?!あの人はだれ?と思うこともあり、コミュニケーションが取りづらいなんてこともあると思います。

 

しかし、少ない人数の中で業務を行うのも・・女性が多い環境の中だとあんなことやこんなことまでという情報が全体に知れ渡ってしまうってこともあります。また、休みが取りづらいなんてこともあるかもしれません。

 

え?ならどっちを選んだらいいの?って思われるかもしれませんが、こればっかりは断然こっち!っていうのはなく最終的には自分にあった方を選択したらいいと思います。

私はどちらも経験しているので次、働くとしたら診療所を選択すると思います。

《レセプト業務って?》

普段の生活の中ではなかなか耳にすることはないと思います。
レセプトとは、診療報酬明細書のことで~と細かく説明してもイメージしづらいと思うので・・

 

例えば、医療機関を受診して今日はいくらになります~と言われます。そのいくらというのは初診、再診や検査、処方等それぞれに点数が決められており、その合計点数に患者さんごとの負担割合をかけた状態で(合計点数✕負担割合 3割とか1割)その日の料金が決まるというシステムです。

 

患者さんごとに負担割合が違うのは、年齢の違いだったりします。その患者さんが3割だった場合、あとの7割が誰が医療機関に支払うかというとそれぞれの保険者(社保とか国保とか)になります。その7割分を保険者からもらうため、月まとめた状態で請求書を作成します。

 

その請求書のことをレセプト(診療報酬明細書)といいます。保険証は何かしらの症状がある場合に使えます。なのでやったことないから胃カメラしてみよう!等という時は、健診扱いで自費となります。

 

健診については医療機関ごとに金額が違うので医療機関に問い合わせてください。何かしらの症状があって保険証を使って受診した場合、患者さんが負担した残りの分を保険者に請求するのですが、実際に行った行為(検査とか処方とか)の点数だけを請求するのではなく、その患者さんの疾患等も記載します。その請求書に不備があった場合は返戻や減額された状態で保険者から診療報酬が支払われることもあります。

 

 

患者さんからいただいた料金もですが、この保険者から支払われる料金の方がはるかに高いので、何百件と返戻、減額された状態となると病院自体の経営が緩いでしまうので細心の注意を払って行わなければいけません。

 

また、レセプトの提出期限は決まっていて翌月の10日(日祝の関係で早くなることもあります)です。大体が前月の請求書を作成するので月がかわってから作成に取り掛かります。日常業務を行いながらなので、就業時間に終わるわけもなく1~10日は残業の日々を送っている医療事務の方も多いと思います。

 

なので10日までは、
職場がピリついてる?なんてこともあると思います。

 

しかし、病院で働いてるとはいえ医療事務の給与はとても残念な状態で、その10日までの残業の残業代でどうにか賄えているというのも事実なところです。

《病院、診療所以外でも働けるの?》

病院、診療所以外でも調剤薬局や歯医者でも医療事務として働くことは可能です。
しかし、診療報酬の点数早見表は医科と歯科に分かれているので歯医者で働く場合は、歯科の診療報酬点数早見表を使用します。

 

また、この診療報酬というのは2年に1度改定され、その内容を決めるのは厚生労働省です。人口動態等の調査結果を基に国の基本方針が決まりそれに基づき診療報酬の点数や決まりごとが変更、追加、削除されていきます。

 

例えば、これから働く世代の人口が減ることにより人手不足が起こります。それを少しでも解消するためにIT化を早く進めた医療機関に対しての点数を新設されたりします。

また、医療費を少しでも減らすため、先発医薬品から後発医薬品(ジェネリック)に変更した場合の点数等もあります。

 

2年に1度の診療報酬改定がありますが、4年に1度その内容が大きく変わります。また6年に1度は介護保険(3年に1度診療報酬改定があります)との同時改定もあり、医療と介護の連携を含めた内容が改定されます。

 

 

この改定される前になると、各地でどの部分が変更になるとかの勉強会が開かれます。改定される項目がたくさんあり1回の勉強会ですべてを把握することは困難で、各勉強会で話される内容も違うので、何回か勉強会に参加しなくてはなりません。

この改定は4月から施行されるので、改定がある年の年度末はとても忙しくなります。

《記事のまとめ》

経験がなくても働くことは出来ますが、多少の知識をいれた状態で就職するのをおすすめします。
病院、診療所によって機能も違い、業務内容も少し違ってくるので自分に合うを方を選択したらいいと思います。

医療は日進月歩と言われていますが、医療事務も日進月歩です。常に学ぶという姿勢が大切だと思います。

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