あぁ〜胃が痛い・・なんだかムカムカするちょっと食べ過ぎちゃったかも・・

 

で終わらせていたら、実は病気が隠れていたなんてことも・・

胃の働きからよく耳にする胃の病気についてまとめました。

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《胃の働きって?》

胃の位置は胸部と腹部の境である横隔膜の下、やや左寄りにあります。
胃の形を正面からみると、大きな縦長の袋が横たわっているような感じで、その容量はゴム袋のように、どれだけの内容物を詰め込んだかで変わりますが、満杯に食べ物を詰め込んだ場合、1.3~1.4Lほどの食べ物を収納することができます。

 

胃の働きは食べ物の消化です。食道から続き、胃は入り口から噴門(ふんもん)、胃底部、胃体部、幽門(ゆうもん)前庭部、幽門とよばれる部位で構成され十二指腸に続いていきます。噴門は食道への食べ物の逆流を防ぎ、幽門は十二指腸への食べ物の通過を調節しています。空になった胃はほとんど運動していません。胃の中に食べ物が入ってくると、噴門から幽門にむかって蠕動運動(前進を伴う収縮運動)が起こります。

 

このとき幽門はきちんと閉まり、胃底部から胃液が分泌され、蠕動運動によって食べ物がすりつぶされます。ここで胃液中のペプシンという酵素によりたんぱく質が分解されます。胃で消化された食べ物がかゆ状になると幽門が開いて、少しずつ十二指腸に運ばれていきます。デンプン性のものは早く、肉類は比較的ゆっくり、脂肪性のものは最もゆっくりと通過します。

 

胃はほかに、食べ物と一緒に入り込んだ細菌を胃酸で殺菌したり、身体にとって悪い物質を嘔吐して出す働きもあります。胃液の分泌は、神経とホルモンの2つの要因によってコントロールされています。
食べ物を見たり、においをかいだりして「おいしそう〜」と感じると、それが副交感神経を刺激し、反射的に胃液が分泌されます。

 

また、食べ物が胃の中に入って内部のpHが上昇すると、胃の細胞を刺激し、ガストリンという局所ホルモンが出てきます。これが胃を刺激して胃液の分泌を促すのです。

《胃がん》

胃がんは、胃の壁の最も内側にある粘膜内の細胞が、何らかの原因でがん細胞になって無秩序に増殖を繰り返すことで生じます。胃がん検査などで見つけられる大きさになるまでには、何年もかかるといわれています。

 

大きくなるにしたがってがん細胞は胃の壁の中に入り込み、外側にある漿膜やさらにその外側まで侵食し、近くにある大腸や膵臓にも広がっていきます。

 

 

症状としては、早い段階で自覚症状が出ることは少なく、かなり進行しても無症状の場合もあります。代表的な症状は、胃の痛み・不快感・違和感、胸やけ、吐き気、食欲不振等がありますが、これらは胃がん特有の症状ではなく、他の疾患の場合でも起こります。検査をしなけれ確定診断はできないので医療機関を受診してください。

 

症状の原因が、他の胃の疾患であった場合でも、検査で偶然に、早期胃がんが発見されることもあり、貧血や黒色便が発見のきっかけになる場合もあります。食事がつかえる、体重が減る、といった症状は、進行胃がんの可能性もあるため、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

 

 

胃がんの原因は、いくつかのリスク要因が指摘されています。中でも、喫煙、食生活等の生活習慣や、ヘリコバクターピロリ菌の持続感染等が胃がん発生のリスクを高めると評価されています。食生活については、塩分の多い食品の過剰摂取や、野菜、果物の摂取不足が指摘されています。

 

また、日本人のヘリコバクターピロリ菌の感染率は、中高年で高く、若年層では近年低下傾向にあります。ヘリコバクターピロリ菌に感染した人のすべてが胃がんになるわけではありませんが、除菌療法が胃がんにかかるリスクを低くするという研究結果が集まっています。感染していることがわかれば除菌療法が推奨され、定期的な胃の検査を受けることが勧められます。

 

その検査としては、胃内視鏡検査・胃部X線検査(バリウム検査)等のさまざまな検査方法があり、内視鏡検査や胃部X線検査による肉眼的所見による分類を行います。

 

基本的に表在型(0型)、腫瘤型(1型)、潰瘍限局型(2型)、潰瘍浸潤型(3型)、びまん浸潤型(4型)分類不能(5型)の6つに分類されます。表在型(0型)は早期がんで、さらに隆起型、表面型、陥凹型の3つに大きく分類されます。表面型はさらに隆起型、平坦型、陥凹型に細分化されています。進行がんは明らかに隆起している腫瘤型(1型)、潰瘍を形成し正常組織と境界がはっきりした潰瘍限局型(2型)、潰瘍を形成し周囲に浸潤していく潰瘍浸潤型(3型)、びまん浸潤型(4型)に分けられます。

スキルス胃がんは、若年者に多く進行の早いがんで4型に属します。

 

また、胃がんは深達度で早期がんと進行がんにわけられます。
胃壁は内側から粘膜層、粘膜筋板、粘膜下層、(固有)筋層、漿膜下層、漿膜の6層により構成されています。粘膜から発生した胃がんは、次第に胃壁の上下方向、水平方向に増殖し、拡がっていきます。がんが胃壁の下にどこまで浸潤しているかを示したものです。

 

がんが粘膜下層にとどまっているものを早期胃がんといいます。早期胃がんのなかでも、粘膜内にとどまっているものを粘膜内癌、下の層まで浸潤しているものを粘膜下層癌といいます。

 

一方、がんが固有筋層以下にまで進んでいるものはすべて進行がんといいます。この深達度によりリンパ節転移率が異なることから、その後の治療法の選択に重要な要素となります。

 

 

治療としては、手術(外科治療)、内視鏡治療、薬物療法(化学療法)が中心になり、治療法はがんのある部位と病期(ステージ)に基づいて決まります。がん細胞は胃壁だけでなくリンパ節や血管を通して転移する可能性があるため、病巣と胃の近くのリンパ節や浸潤した臓器をできる限り取り除きます。

 

がんの拡がりの程度や深達度、リンパ節への転移や肝臓、小腸などの臓器への転移(遠隔転移)を十分に調べたうえで、最適な手術を決定します。進行度によっては、胃の機能をどれだけ残せるかも違ってきます。手術後の生活で大きく変わるのは食事です。

 

胃の一部または全部を切除したことで、これまで胃の中を通っていた食べ物が直接腸に流れ込むために、さまざまな症状(逆流症状、胃もたれ、貧血、骨粗鬆症)が起こることがあります。これをダンピング症候群といいます。手術後の後遺症を少しでも少なくしたり、うまく付き合うために、食事の工夫や運動等自分なりに対応策を見つけていかなければいけません。

《慢性胃炎》

慢性胃炎は、胃酸を分泌している腺が、萎縮をおこし修復されずに進行していく病気です。長期にわたって慢性的に萎縮とともに胃酸の分泌が減少する状態が続いていることをいいます。

 

最近では、ヘリコバクターピロリ菌の感染との関係が研究されています。出血とびらんのある胃炎、びらんのない胃炎、特殊型胃炎があります。症状としては、慢性胃炎特有のものはなく、空腹時や夜間の胸やけ、胃もたれ等があります。

 

原因は、出血とびらんのある胃炎ではストレス、非ステロイド系消炎鎮痛剤、飲酒、喫煙等が原因になります。びらんのない胃炎ではピロリ菌の感染が疑われます。特殊型では細菌・ウイルス・カビの感染、クローン病等の消化管疾患やサルコイドーシス等の全身性疾患の影響が考えられます。放置すると胃・十二指腸潰瘍に進行することがあるので、注意が必要です。

 

 

治療としては、薬物治療となります。その種類は胃酸による攻撃をおさえたり、胃の粘膜を保護したり、消化管運動を改善したりとさまざまです。

《記事まとめ》

症状がよくあることだからと診察を受けずにいたら病気が進行していたということや、無症状の場合もあるので、定期的に検診を受けることをおすすめします。

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