毎年の健康診断や病院での血液検査で血糖値が高いといわれたことはありませんか?

血糖のことや糖尿病についてまとめました。

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《血糖について》

血糖値は血液中の糖(ブドウ糖)の濃度です。

食事が血糖になる流れ

糖は、カラダを動かす、体温を維持する、脳を働かせるなどカラダの活動のために必要なエネルギー源です。ごはんやパンなどの炭水化物が多い食べ物が口から入ると、食道を通り、胃や十二指腸で消化され小腸から吸収されます。

吸収された糖分はブドウ糖などとして血管内に取り込まれ、ブドウ糖が血液中に増えたことで、血糖値が上がります。また、ブドウ糖が血液中に増えたことで、膵臓からホルモン(インスリン)が分泌され、ブドウ糖は肝臓や筋肉、脂肪組織などに全身に取り込まれます。この時に血糖値が下がります。

通常、糖尿病でない人の空腹時の血糖は110mg/dl以下とされています。

インスリンとは?

インスリンとは、膵臓のランゲルハンス島と呼ばれる細胞で作られるホルモンです。血糖値が高くなるとインスリンの量が増え、筋肉や肝臓が糖を取り込む量を増やして血糖値を下げる働きをしています。

《糖尿病とは?》

糖尿病とは、インスリンが不足したり、効きにくくなったりして血糖値が高い(高血糖)状態が続き、心筋梗塞、脳卒中、眼の障害や腎臓、神経の障害など、さまざまな臓器に合併症を起こす病気です。

インスリンの不足やインスリンが効かなくなる原因としては、遺伝や生活環境(過食・運動不足)加齢、免疫異常、ストレスなどがあります。高血糖の典型的な症状としては、喉が渇きやすい、尿量が多くなる、体重が減るなどがみられます。

 

糖尿病の診断としては、次の3つの検査方法があります。

1)空腹時血糖値

前日の夕食後、何も食べず翌朝、血糖値を測ります。

2)ブドウ糖負荷試験2時間値(OGTT)

10時間以上絶食した状態で1度目の採血。次に75gのブドウ糖液を飲み、その2時間後に再び血糖値を測定します。

3)随時血糖やHbA1c

食事の前か後かなどを考慮せずに採血し、その血糖値(随時血糖)が200㎎/dL以上の場合や、HbA1cが6.5%以上(NGSP値)の場合も糖尿病型です。

※HbA1c:採血時点から過去1~2カ月間の血糖状態がわかる検査。現在は、国際標準の「NGSP値」が使われています。検査結果が、以前使われていた「JDS値」で表されている場合は、0.4を足すとNGSP値に換算できます。

 

《糖尿病の種類》

糖尿病には大きく3つに分けられます。

1型糖尿病

免疫異常などが原因でインスリンを出す膵臓の細胞が破壊され、インスリンが出なくなるために血糖値が高くなる病気です。小児から思春期に起こりやすいといわれ、1万人に1.5~2人いるとされています。体型はやせている人に多いとされています。この型の糖尿病と診断するには、膵臓のインスリンを出す細胞の破壊をあらわす自己抗体の検査で、GAD抗体、IA-2抗体があります。

*自己抗体:抗体は体内に侵入した病原体などを攻撃するタンパク質ですが、自己抗体は自分のカラダを攻撃してしまいます。

2型糖尿病

遺伝や生活環境(過食・運動不足・肥満)などで、インスリンが少なくなったり、効きにくくなったりして血糖値が上がる病気です。40歳以降に起こりやすいといわれていましたが、最近では生活環境の変化により若い人でも増えている傾向です。40歳以上の約10人に1人がこの糖尿病だといわれています。

妊娠糖尿病

妊娠中は胎盤ホルモンなどにより、インスリンの効きが悪くなって血糖値が高くなりやすくなります。名前は妊娠糖尿病ですが、正確には糖尿病には至っていない状態です。血糖値が高い状態が続くと、巨大児(出生時の体重が4000g以上)、新生児の低血糖、将来子供が糖尿病や肥満になる可能性があります。

 

《糖尿病の治療》

糖尿病の治療は、食事療法、運動療法、薬物療法があります。

食事療法

基本は1日3回、規則的に適正なエネルギー量を摂ることです。 食事を減らすのではなく、カラダが喜ぶ食事を選ぶようにしましょう。1型糖尿病の場合は、インスリン注射と食事がうまくかみ合うようにしましょう。

間食は、血糖コントロール悪化の原因になりますので、できるだけ控えます。どうしても食べたいときは、1日の適正なエネルギー量の範囲で、できるだけ低カロリーのものを選び、食べる時間(外出、運動前など)を考えて食べるようにしましょう。

外食は、炭水化物や脂質が多く野菜が少ないため、何をどれだけ食べてどれだけ残すかを決めて食べるようにしましょう。また、食べる順番を、1.ゆっくり野菜 2.肉や魚などのおかず 3.ごはんやパンなどの炭水化物にしたら、血糖値の急激な上昇を避けることができます。

・1日あたりの適正なエネルギー量の計算には、下の式が用いられます。

体格(身長・体重)と身体活動量で、1日の食事で摂取する適正なエネルギー量が決まります。性別・年齢・血糖コントロール・合併症があるかないか、などによって糖尿病の方ごとに状況が異なり、下の計算式に当てはまらない方もいます。

 

1日の適正なエネルギー量(kcal)=※1標準体重(kg)×※2身体活動量

※1標準体重
標準体重(kg)= 身長(m)×身長(m)×22

※2身体活動量
軽労作(デスクワークが多い職業など):25~30(kcal/kg標準体重)
普通の労作(立ち仕事が多い職業など):30~35(kcal/kg標準体重)
重い労作(力仕事が多い職業など):35~(kcal/kg標準体重)

 

運動療法

運動をすることにより筋肉がブドウ糖を取り込んで血糖値をよくします。また、運動を続けることで血糖値を下げる働きのあるインスリンの効きがよくなります。そのほか、筋肉量が増えて運動能力が上がったり、心臓や肺の機能をよくしたり、脂質や血圧の値をよくする効果があります。

運動には、有酸素運動とレジスタンス運動があり、それらを組み合わせて行います。

有酸素運動としては、歩行、ジョギング、水泳など

レジスタンス運動としては、腹筋、ダンベル、スクワットなどがあります。

 

運動の頻度としては、できれば毎日、少なくとも週3日以上行い、歩行であれば1回15~30分を1日2回、1万歩が目安となります。運動を行うことにより、低血糖を起こしやすくなるため薬物療法と併用している場合は特に注意が必要です。

 

薬物療法

食事・運動療法で血糖コントロールできない場合には、飲み薬を使うことがあります。その種類としては、インスリン分泌能を改善する(膵臓からインスリンを出す)、インスリン抵抗性を改善(インスリンを働きやすくする)、ブドウ糖の吸収・排泄を調節する薬があります。

 

また、1型糖尿病の場合と、飲み薬の効果が得られなかった場合は、注射薬による治療を行います。その種類としては、GLP-1受容体作動薬、インスリン製剤があります。

GLP-1受容体作動薬は、血糖が高いときだけインスリンを出すように膵臓に働きかけ、血糖値を下げる作用があります。インスリン製剤は、インスリンそのものを注射によって補う治療法です。インスリン製剤には大きく6つに分けられます。

 

超速効型:インスリンの追加分泌を補う。注射後すぐに効き始め、作用が最も短い

速効型:インスリンの追加分泌を補う。注射後30分ほどで効き始め、超速攻型に比べゆっくりと効く

中間型:インスリンの基礎分泌を補う。注射後ゆっくり効き始め、ほぼ1日効果がある

持効型溶解:インスリンの基礎分泌を補う。ほとんどピークがなく、中間型よりも長く効く。ほぼ1日安定して効果がある

混合型:インスリンの追加分泌と基礎分泌を補う。超速効型や速効型、中間型インスリンの混合製剤

配合溶解:インスリンの追加分泌と基礎分泌を補う。超速効型と持効型溶解インスリンの混合製剤

 

《記事のまとめ》

糖尿病で大事なのは、血糖を正しい値に保ち、合併症を未然に防ぐことです。

そのためには、ご家族の協力も得ながら食事療法、運動療法を継続することが重要です。

 

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