男性のカラダについてきちんと知っておこう!
男性特有の病気についてまとめました。

 

スポンサーリンク

《男性のカラダの構造》

男性の生殖器には、精子をつくる精巣(睾丸)、精子を運ぶ精管、精のうや前立腺などの付属腺、陰のうや陰茎などの外生殖器などから構成されています。

 

精巣は精子をつくる生殖腺であり、男性ホルモン(アンドロゲン)を分泌する内分泌器官でもあります。精巣からは精路(精巣上体、精管、尿道)が伸び、精巣上体(副睾丸)で精子に運動能力と受精能力が与えられます。

また、精のうと前立腺からの分泌液は、どちらも精液の成分になります。陰茎は尿道を含む外生殖器です。尿道は海綿体というスポンジのような組織で取り囲まれています。性的興奮によって海綿体に血液が流れ込むと、陰茎が勃起して腟への挿入と射精を可能にします。

 

尿道は泌尿器系と生殖器系の両方に属していますが、尿と精子が一緒に通過することはありません。精子が尿道の前立腺部に入ると膀胱の括約筋が収縮し、尿が尿道内に漏れ出ないようにストップをかけます。

 

精巣

精巣は、睾丸とも呼ばれ、男性の股間の陰のう内部にある卵形をした臓器です。左右に1つずつあり睾丸とも呼ばれています。精巣には、男性ホルモンを分泌する役割と精子をつくる役割があり、それぞれ別の細胞によって行われています。精子は、精細管壁の精上皮から精祖細胞が生じ、精母細胞、精娘細胞と分化して精子細胞となります。精子細胞は成熟し、形を変えて精子となります。

 

精巣上体

精巣上体は、副睾丸とも呼ばれ、精巣に付着した器官で、ナメクジ様の形をしています。精巣でつくられた精子は、精巣上体を通過する間に最終的な成熟をとげて、射精の時期を待ちます。ここで最大約10億個の精子を貯蔵できると考えられています。

 

精管

精巣上体から続く長さ35〜45cm、直径2〜3mmの精液の通路です。

射精の際、精管および射精管は強力な蠕動運動によって精子を一気に送り出します。

 

精のう

精のうは、膀胱後面で精管膨大部の外側にある長さ約3〜5cmで紡錘状の袋で左右1つずつあります。淡黄色を帯びたアルカリ性の分泌物を出し、射精の際、前立腺の分泌物とともに精液として排出されます。この精のうから分泌される精のう液は精液全体の約7割を占め、精子に運動のエネルギーを与える役割を果たしているとされています。

前立腺

前立腺は、膀胱の下に位置し、尿道のまわりを取り囲んでおり、栗の実のような形をしています。前立腺は精液の一部に含まれる前立腺液をつくっており、精子を保護したり、精子に栄養を与えるとともに、その運動機能を助ける役割を果たしています。前立腺液には、PSAというタンパク質が含まれています。ほとんどのPSAは前立腺から精液中に分泌されますが、ごく一部は血液中に取り込まれます。

 

《男性のカラダでは凄まじく大量の精子が作られている》

男性は思春期を迎えると、男性ホルモンの働きによって、毎日精子が2つの精巣(睾丸)でつくられます。細胞から一人前の精子になるまで約80日かかります。性的興奮が起きて、射精(精嚢や前立腺から精液のもととなる液体と一緒に)が行われると1億個ほどの精子が体外に出されます。射精されなかった精子は体内で吸収され消えてしまいます。

 

精子の役割は人間の設計図の半分を持ち込んで、卵の新しい生命活動のスイッチをオンにすることです。

《前立腺肥大症》

前立腺肥大症とは、加齢とともに前立腺が大きくなってしまう病気です。

この前立腺が大きくなってしまう原因はまだはっきりと分かっていませんが、男性ホルモンの働きが関与していることは間違いなく、中高年になって男性ホルモンを含む男性ホルモン環境の変化が起こることにより、前立腺が肥大すると考えられています。

 

症状としては、頻尿、夜間頻尿、尿の出方が悪い(すぐにでない、時間がかかる)、残尿感(終わっても、まだ残っている感じ)、尿勢の低下(尿腺が細くちょろちょろと勢いがない)などの排尿障害があります。しかし、進行すると症状の悪化のみでなく、次のような様々な合併症を引き起こすことがあります。

肉眼的血尿:前立腺肥大のために、尿道粘膜の充血が起こり、前立腺部の尿道粘膜から出血して、血尿が出やすくなります。

尿路感染:排尿障害のために、膀胱内に残尿が残るようになると尿路感染が起こりやすくなります。

尿閉:膀胱内に尿が充満しているにも関わらず、尿が出せない苦しい状態となります。前立腺肥大が高度なほど起こりやすく、飲酒、風邪薬の服用が尿閉を引き起こす要因として頻度が高いものです。また、尿を我慢しすぎることが、尿閉を引き起こすこともあります。

膀胱結石
:膀胱内に常に残尿がある状態が長期間続くと、膀胱内に結石ができることがあります。

腎機能障害:膀胱内に多量の残尿が残るようになったり、排尿障害のために膀胱壁が高度に厚くなると、腎臓から膀胱への尿の流れが妨げられ、腎臓が腫れる状態(水腎症)となり、腎不全になることがあります。

 

治療としては、薬物療法、手術療法があります。

先に述べた、肉眼的血尿、尿路感染、尿閉、膀胱結石、腎機能障害などの前立腺肥大症による合併症がみられる場合には、手術治療が行われますが、それ以外の場合は、まず薬物治療が行われます。前立腺肥大症の手術治療としては、最近新しい技術が開発され、様々な治療法がありますが、内視鏡手術が標準的な手術として行われます。

 

薬物療法

薬物療法に使われる薬は、α1アドレナリン受容体遮断薬(α1受容体遮断薬、アルファーワンブロッカー)、5α還元酵素阻害薬、抗アンドロゲン薬、PDE5(ホスホジエステラーゼ5)阻害薬、生薬・漢方薬などに分けられます。

α1受容体遮断薬

前立腺肥大症に伴う排尿困難の薬として、最も多く使われる内服薬です。α1受容体は前立腺や尿道の筋肉にある、蓄尿をコントロールする器官です。前立腺平滑筋に対する交感神経緊張状態を抑えることにより、前立腺を弛緩させ、その結果として、前立腺の尿道に対する圧迫を軽減します。また、前立腺肥大症に伴う過活動膀胱の改善にも効果があり、排尿困難だけでなく、頻尿、夜間頻尿、尿意切迫感などの蓄尿症状の改善にも有効であることが示されています。前立腺を小さくする効果はありませんが、継続投与における長期的な改善効果も示されています。なお、α1受容体遮断薬を服用していると、白内障の手術に影響することがあります。

5α還元酵素阻害薬

血液中の男性ホルモン(テストステロン)が、前立腺組織に作用するのを抑える作用を持ちます。血液中のテストステロンが前立腺細胞に取り込まれると、5α還元酵素の作用によりジヒドロテストステロンに変換され、このジヒドロテストステロンが前立腺細胞の増殖に働きます。5α還元酵素阻害薬は、前立腺細胞の中でテストステロンをジヒドロテストステロンに変換する5α還元酵素の作用を抑えることにより、前立腺細胞の増殖を抑制し、その結果肥大した前立腺が縮小します。この薬を長期間服用することにより肥大した前立腺が縮小して、排尿困難の症状を改善します。この薬の作用はα1受容体遮断薬と異なり、効果があらわれるのに数ヶ月かかるので、長期間の内服が必要です。前立腺が大きい場合や、α1受容体遮断薬による治療で効果が不十分な場合には、α1受容体遮断薬と5α還元酵素阻害薬が併用されることもあります。しかし、この薬は、血液中の前立腺特異抗原(PSA)の値を約50%低下させるため、前立腺がんを見逃さないように、投与前、投与中はPSA値の測定とあわせて前立腺癌の評価を行うことが必要です。

抗アンドロゲン薬

前立腺に対する男性ホルモンの作用を抑える薬ですが、5α還元酵素阻害薬とは作用機序が異なります。抗アンドロゲン薬は精巣からのテストステロン産生を抑制するとともに、血液中のテストステロンが前立腺細胞に取り込まれるのも抑制します。この薬も、肥大した前立腺を縮小して、排尿困難の症状を改善します。この薬も血液中のPSAを低下させてしまうので、投与前、投与中の前立腺がんの評価を行うことが必要です。

PDE5阻害薬

副交感神経終末や血管内皮細胞から産生されるNO(一酸化窒素)は、平滑筋細胞内でcGMPの産生を促進し、平滑筋を弛緩します。cGMPはPDE(ホスホジエステラーゼ)5の作用により分解されますが、PDE5阻害薬はNOにより産生されるcGMPの分解を抑制することにより、膀胱頸部・尿道および前立腺の平滑筋を弛緩して前立腺肥大症に伴う下部尿路症状を改善します。

生薬・漢方薬

植物から抽出したエキスを薬にした生薬や、いくつかの漢方薬が前立腺肥大症治療に使われることがあります。体質によって種類が異なってきます。

 

手術療法

薬物治療を行っても、症状の十分な改善が得られない場合や、肉眼的血尿、尿路感染、尿閉を繰り返す場合、あるいは膀胱に結石ができたり、腎機能障害が発生した場合には手術による治療が行われます。

 

100g(mL)を超えるような巨大な前立腺肥大の場合には、開腹手術によって肥大した前立腺を摘出することがありますが、通常は、尿道から内視鏡を挿入して行う手術が行われます。最近では、レーザーを用いた、新しい内視鏡手術も行われています。

経尿道的前立腺切除術(TUR-P)

尿道から内視鏡を挿入し、内視鏡の先端に装着した切除ループに電流を流し、肥大した前立腺を尿道側から切除する方法です。少しずつ切除して、肥大した前立腺(内腺)を完全にくり抜くように切除します。前立腺肥大症に対する最も標準的で広く行われている方法です。

ホルミウムレーザー前立腺核出術(HoLEP)

尿道から内視鏡を挿入し、レーザーを照射しながら、肥大した前立腺(内腺)と外腺の間を剥離して、内腺の部分を塊としてくり抜きます。くり抜いた内腺は、膀胱の中で細かく砕いて吸引して取り出します。大きい前立腺肥大に対しても少ない出血で行うことができます。

光選択的レーザー前立腺蒸散術(PVP)

尿道から挿入した内視鏡下に高出力のレーザーを照射して、肥大した内腺を蒸散させながら、切除します。非常に出血量が少なく、大きな前立腺肥大にも行うことができます。

経尿道的マイクロ波高温度治療術(TUMT)

手術治療の中でも低侵襲治療に分類され、尿道から挿入したカテーテルからマイクロ波を発射し、前立腺組織を熱によって壊死させることにより前立腺内腺を縮小します。

尿道ステント

前立腺により圧迫された尿道にステントという筒状のものを留置する方法で、内視鏡操作で行います。手術が困難な場合のみに限られます。

《記事のまとめ》

女性同様、男性の性器も日常生活などのストレスを受けやすく、デリケートです。
無精子症や勃起障害など、男性が原因となる不妊は、全体の約半数を占めています。

 

スポンサーリンク
おすすめの記事