女性のカラダについてきちんと知っておこう!
女性特有の病気についてまとめました。

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《女性のカラダの構造》

女性の性器は、外から見える外性器と、身体の内部にある内性器とに分けられます。妊娠・出産の舞台となる内性器は、子宮、卵巣、卵管、腟などからなり、骨盤に両側を挟まれて守られています。また、骨盤底筋という筋肉がハンモックのように広がって、子宮や腟を支えています。

 

子宮: 子宮は、厚い筋肉の壁でできた洋ナシをひっくり返したような形をしています。大きさは、20~40代には鶏卵くらいですが、閉経の頃からだんだんと小さくなって親指大くらいまで縮みます。

妊娠中には胎児を育むベッドとなるため大きく変形します。子宮は妊娠を成り立たせ、胎児を育てる大切な役割を持っています。このように子宮が伸び縮みできるのは、子宮筋層という筋肉でできているからです。

子宮の内側は、子宮内膜という粘膜に覆われています。

卵巣:卵巣は、子宮の両脇にあり親指大の大きさです。ここには、卵胞という袋に包まれた卵子がたくさん詰まっていて、毎月卵巣から腹腔内へ飛び出します。このことを排卵といいます。飛び出た卵子は、卵管の先端にある卵管采から取り込まれ、卵管内で精子と出会うのを待ちます。

また、卵巣は、妊娠や生理をコントロールする2種類の女性ホルモン、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)を作り出し、分泌する役割も担っています。

卵管:卵巣と子宮をつなぐパイプの役割があります。


:子宮からのびる管で、精子を子宮に送り込みます。また、出産のときには産道となります。

 

《生理のしくみ》

生理とは、1ヶ月に一度、卵巣から卵子を排出する排卵に合わせて、子宮内膜は厚くなり妊娠できる態勢を整えます。このとき卵子が受精しなかった場合は、子宮内膜が不要となり、はがれて体外に排出されることをいいます。

 

生理のリズムは、2つの女性ホルモンの分泌で生まれます。生理が終わってから排卵までの卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌が多い期間を「卵胞期」。排卵後から生理までは黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が多い期間を「黄体期」といいます。

一般的に生理周期は約4週間(25~38日)で卵胞期→排卵期→黄体期→生理を1サイクルとします。

卵胞期(低温期)

卵巣の中の卵子のもととなる原始卵胞が成熟。成熟卵胞からは卵胞ホルモン(エストロゲン)がたくさん分泌され、その影響で子宮内膜が徐々に厚くなります。エストロゲンの分泌が最も盛んで副交感神経の働きも活発になり気分は安定します。

優しくなったり、外向的になったりとポジティブになれる時期です。 新陳代謝が活発になります。血行が良くなり肌は潤い髪はつやが出て、女性としての美しさが顕れる時期です。

排卵期(高温期)

成熟卵胞から卵子が排出されます。これを排卵といいます。最も妊娠しやすい時期です。黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌で子宮内膜がだんだん厚くなり始めます。下腹部になんとなく不快感や違和感を感じるのがこの時期。

プロゲステロンの影響で交感神経が優位になり、元気だったり落ち込んだりと気持ちの起伏が激しく出ることも。気分はだんだん不安定になっていきます。プロゲステロンには皮脂の分泌を盛んにさせる作用があるため、ニキビや吹き出物などのトラブルも出やすくなってきます。

黄体期(高温期)

排卵後の卵胞が黄体に変化します。この黄体からは黄体ホルモン(プロゲステロン)が多く分泌され、その作用で子宮内膜はより厚く、妊娠に適した状態になります。胸のはりや痛み、便秘や肩こりなど不調などの不調に悩まされます。眠気が増したり、逆に眠れないなどの症状が出ることもあります。

ホルモンバランスが急激に変動することで、自律神経が乱れイライラや不安感が募ります。怒りっぽくなったり、逆にやる気が出なかったりなど不安定な心の状態になりやすい時期です。 黄体ホルモンの影響が強く現れ、体温が上昇して体内に水分を溜め込むためむくみやニキビのほか、シミやソバカスができやすい時期でもあります。

血行が悪くなりがちなので、くまやくすみが目立ちやすくなります。

生理(低温期)

妊娠しなかったときは、子宮内膜ははがれ落ち血液とともに体外に排出されます。黄体ホルモンの分泌がなくなり、体温が下がります。そのためカラダ全体の血行が悪くなり冷えや頭痛、胃の痛み、生理痛を感じることがあります。生理の出血によって貧血気味になり身体のだるさをおぼえることもあります。生理痛などもあって憂鬱になりやすい時期です。

生理が終わりに近づくと卵胞ホルモンの分泌が始まり、落ち込んだ気分から脱出していきます。血行不良でくすみやくまが出やすくなります。肌が敏感になりやすいためかぶれや湿疹、肌荒れが治りにくい人もいます。

 

《妊娠のしくみ》

脳の中の下垂体というところから卵巣刺激ホルモンが分泌され、卵巣を刺激します。卵巣の中にある卵胞が発育し、それに伴い卵胞の中に入っている卵子が成熟し、卵胞からはエストロゲンが分泌されます。卵胞の大きさが約2cmに発育すると、卵胞からのエストロゲンが下垂体に作用し黄体化ホルモンが大量に分泌されます。その刺激で排卵が起こります。

 

排卵した後の卵胞は、黄体というものに変化し、エストロゲンに加えてプロゲステロン(黄体ホルモン)を分泌します。お腹の中に飛び出した卵子は卵管采(卵管の先端部分)から取り込まれ、卵管膨大部に運ばれます。

 

一方、膣内に射精された精子は子宮から卵管を泳いで行き、卵管膨大部で卵子と出会い受精という現象が起こります。受精卵は、細胞分裂を繰り返しながら卵管の中を子宮に向けて運ばれていきます。

エストロゲンとプロゲステロンは子宮の内膜を厚くし、受精卵を受け入れる準備をします。そこにたどりついた受精卵が子宮内膜にもぐりこむと着床、妊娠が成立します。

受精から着床までは約1週間かかかるといわれています。

 

《子宮筋腫》

子宮筋腫とは、良性の腫瘍ですが、放置しておくと10kgを超えるような大きさまでになることもあります。女性ホルモンによって筋腫が大きくなりますが、逆に閉経後には小さくなります。複数個できることが多く、数や大きさはさまざまです。

できた場所によって、子宮の内側(粘膜下筋腫)、子宮の筋肉の中(筋層内筋腫)、子宮の外側(漿膜下筋腫)に分けられています。

 

症状としては、大きさやできた場所によって違ってきます。
代表的な症状は、月経量が多くなることと月経痛です。その他の症状としては月経以外の出血、腰痛、トイレが近いなどがあります。子宮の内側にできた筋腫は小さくても症状が強く、月経量が多くなります。逆に子宮の外側にできた筋腫は相当大きくなっても症状がでません。

 

治療としては、手術療法と薬物療法があります。手術療法では、子宮を取ってしまう場合と(子宮全摘術)、筋腫だけ取る場合(筋腫核出術)があります。将来、子供がほしい場合や子宮を強く残したい場合では、筋腫だけ取る手術を行いますが、手術の際、出血が多くなるのが難点です。子宮筋腫は複数個できることが多く、直接見てもわからないような小さな筋腫は手術でも取り残すことになります。そのため数年後には取り残した筋腫がまた大きくなってくることもあります。

また、最近ではこれらの手術に腹腔鏡を使って行う場合も増えてきましたが、大きさやできた場所によっては難しいこともあります。

 

薬物療法では、閉経状態にしてしまう治療(偽閉経療法)が行われます。治療薬には毎日の点鼻薬と4週間に1回の注射薬の2種類があります。しかし、この治療では女性ホルモンの分泌が少なくなるので更年期様の症状が出たりするため半年しか行うことができません。また、治療初期には不規則な出血を認めることもあります。

 

治療中は子宮筋腫が半分近くまで小さくなりますが、治療を中止するとすぐに元の大きさに戻ってしまいます。なので、筋腫を小さくするために、手術前に一時的に使用するか、閉経に至るまでの一時的治療として行われています。

 

もう一つの治療法としてピル(経口避妊薬)があります。また、その他の治療法として、子宮を栄養する血管をつめてしまう治療法(子宮動脈塞栓術)もあります。

 

《記事のまとめ》

生理前になると、無性にイライラしたり、食欲が増えたり、気分が落ち込んだりします。

そんな時は、リラックスすることを心掛け、カラダを温めたり、軽い運動をしたりして副交感神経を高るようにしましょう。

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